【はじめに】
「また私だけ終わっていない…」
勤務終了時間が近づく。
先輩たちは記録を終えて帰る準備を始めている。
同期も「お疲れさまでした」と帰っていく。
でも自分だけ、まだ記録が終わらない。
焦れば焦るほど頭が回らなくなり、手が止まる。
そんな経験はありませんか。
新人看護師の頃、私は何度もこの苦しさを味わいました。
みんなが普通にできていることが、自分だけできないように感じる。
「私は仕事ができないんだ」
「看護師に向いていないのかもしれない」
そうやって自分を責め続けていました。
でも今振り返ると、仕事が終わらないことと、看護師としての価値はまったく別の話でした。
この記事では、新人看護師が「自分だけ仕事が終わらない」と感じてしまう理由と、
その苦しさとの向き合い方についてお話しします。
みんなが帰る中で、自分だけ終わらないのがつらかった
新人看護師の頃、本当につらかったのは残業そのものではありませんでした。
みんなが帰っていく中で、自分だけ取り残されることでした。
勤務終了時間になると、先輩たちは記録を終え、帰る準備を始めます。
同期も荷物をまとめて帰っていく。
でも私はまだパソコンの前に座っていました。
記録が終わらない。
処置の振り返りも終わらない。
確認したいことも残っている。
焦りながらキーボードを打っていると、先輩から言われたことがあります。
「まだ終わってないの?」
今思えば、ただの確認だったのかもしれません。
責めるつもりではなかったのかもしれません。
でも当時の私は、
「まだそんなことも終わらないの?」
と言われたような気がしてしまいました。
そこからさらに焦り、さらに手が止まりました。
仕事が終わらない苦しさは、仕事量だけではありません。
周りと比べてしまうこと。
自分だけ遅れているように感じること。
その苦しさが新人看護師を追い詰めていくのだと思います。
新人看護師が仕事を終えられないのには理由があります
一つひとつ考えながら仕事をしているから
先輩は経験があります。
優先順位も分かっています。
患者さんの状態を見て、何を先にするべきか判断できます。
でも新人は違います。
採血一つ。
点滴一つ。
報告一つ。
すべてに時間がかかります。
それは能力が低いからではありません。
経験が少ないからです。
先輩が無意識でできることを、新人は一つひとつ考えながら行っています。
時間がかかるのは当然なのです。
確認や相談が必要だから
新人は分からないことを確認しながら仕事を進めます。
薬剤。
処置。
報告内容。
患者さんの変化。
確認することはたくさんあります。
その時間は決して無駄ではありません。
患者さんを守るために必要な時間です。
でも、その時間があるからこそ仕事は遅くなります。
ミスをしないように慎重になっているから
真面目な新人ほど仕事が遅くなることがあります。
「間違えたくない」
「怒られたくない」
「患者さんに迷惑をかけたくない」
そう思うからです。
記録も何度も見直す。
報告内容も考え直す。
確認も繰り返す。
結果として時間が足りなくなります。
でもそれは責任感があるからこその行動です。
実は「仕事が遅い」のではなく「優先順位が分からない」ことも多い
新人看護師はよく、
「自分は仕事が遅い」
と感じています。
でも実際には、
「何を先にするべきか分からない」
ことが原因の場合も少なくありません。
患者さんからナースコールが鳴る。
記録も残っている。
先輩への報告も必要。
他の患者さんの処置もある。
新人はそのすべてを同じ重さで抱えてしまいます。
だから混乱する。
だから時間が足りなくなる。
仕事が終わらない新人の多くは、能力が低いのではなく、優先順位を判断する経験が足りないだけなのです。
仕事が終わらない=看護師に向いていない、ではありません
新人の頃の私は、
仕事が終わらない日ほど自分を責めていました。
同期は終わっている。
先輩も終わっている。
なのに自分だけ終わらない。
だから、
「自分だけ看護師に向いていないんだ」
と思っていました。
でも今は違います。
仕事が終わる速さと、看護師としての価値は別です。
患者さんを大切にしている人。
確認を怠らない人。
分からないことを相談できる人。
そういう人は、最初は時間がかかることもあります。
だから仕事が終わらない日があっても、自分の価値まで否定しないでほしいと思います。
環境によっては誰でも仕事が終わらなくなります
新人個人の問題だけではない場合もあります。
例えば、
人員不足。
教育不足。
フォロー不足。
新人を放置する文化。
こうした職場では、誰でも仕事が終わらなくなります。
新人が悪いのではありません。
環境に問題がある場合もあります。
もし毎日極端な残業が続いているなら、自分だけを責める前に職場環境にも目を向けてみてください。
まとめ
新人看護師が仕事を終えられないのは、能力不足だけが原因ではありません。
経験不足。
優先順位の難しさ。
確認の多さ。
責任感の強さ。
さまざまな理由があります。
そして何より、
仕事が終わらないことと、看護師としての価値は別です。
もし今、
みんなが帰る中で一人残りながら、
「自分だけダメなんだ」
と思っているなら、
どうか自分を責めすぎないでください。
新人だった頃の私も、同じように苦しんでいました。
FAQ
Q. 新人看護師は毎日残業するものですか?
新人の頃は残業が増える人も少なくありません。
覚えることが多く、確認にも時間がかかるためです。
ただし、毎日何時間も残業している場合は、個人の問題だけでなく職場の教育体制や人員配置の問題も考えられます。
自分だけが悪いと決めつけないことも大切です。
Q. 自分だけ仕事が終わらないのは能力不足ですか?
必ずしもそうではありません。
新人は一つひとつ考えながら仕事をしています。
先輩と同じスピードで働けないのは自然なことです。
仕事が終わらないから能力が低い、と単純には言えません。
Q. 同期は帰っているのに自分だけ残るのがつらいです
とてもつらいと思います。
私も同期が帰る姿を見るたびに落ち込んでいました。
でも同期にも得意不得意があります。
見えていないところで悩んでいることもあります。
比べる相手を同期にすると苦しくなりやすいので、
過去の自分と比べることを意識してみてください。
Q. 仕事を少しでも早く終わらせる方法はありますか?
まずは一日の終わりに、
「今日は何が一番時間がかかったか」
を一つだけ振り返ってみてください。
全部を改善しようとすると続きません。
一つずつ改善していく方が結果的に成長しやすいです。
Q. いつ頃から仕事が回るようになりますか?
個人差はありますが、多くの新人看護師は経験を重ねる中で少しずつ優先順位が見えるようになります。
最初から完璧に回せる人はほとんどいません。
焦らず、一歩ずつ経験を積んでいくことが大切です。
最後の一言
みんなが帰ったあと、一人だけ記録を書いていた時間は本当に苦しいものでした。
でも今振り返ると、あの頃の私は仕事ができなかったのではありません。
分からないことを確認しながら、必死に患者さんを守ろうとしていました。
もし今のあなたが同じように苦しんでいるなら、
仕事が終わらないことだけで、自分の価値まで否定しないでください。
あなたは今日も、一生懸命頑張っている新人看護師です。
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