はじめに
「入職してから何か月もたったのに、まだ仕事に慣れない…」
病棟の流れは分かってきたはずなのに、朝の情報収集では今日も緊張する。
同期が落ち着いて報告していると、「私だけ成長していないのかな」と感じることもあると思います。
新人看護師だった頃の私も、ナースステーションへ入るだけで肩に力が入りました。
質問のタイミングを逃し、申し送り後は「またうまく話せなかった」と一人で反省していました。

病棟の流れは分かってきたはずなのに、毎朝まだ緊張する。「いつになったら普通に働けるんだろう」と思っていました。
「慣れない」の中には、業務の流れ、看護技術、優先順位、人間関係などが重なっています。この記事では、経験で変わる状態なのか、職場環境を見直す状態なのかを分けて考えます。

まず「何に慣れていないのか」を分けてみましょう
「私は何もできていない」と感じても、実際には、できるようになったことと経験が足りないことが混ざっています。
| 慣れていないもの | 感じやすいこと | 最初に確認したいこと |
|---|---|---|
| 病棟の流れ | 次に何をするのか毎回迷う | 一日の中で時間が決まっている業務は何か |
| 看護技術 | 一人で実施するのが怖い | 経験回数と、どこで手が止まるのか |
| 優先順位・判断 | 予定外の出来事が重なると動けない | 今すぐ必要な対応と、後にできる業務を分けられるか |
| 人間関係・職場 | 誰に、いつ質問すればよいか分からない | 安心して確認できる相手がいるか |
例えば、採血の準備はできても、ナースコールと点滴更新が重なると動けない。
この場合、すべてではなく、複数業務を組み立てる経験がまだ少ないのかもしれません。

「全部できない」のではなく、私は予定が重なったときの優先順位で止まっていたのかもしれません。

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新人看護師が仕事に慣れる時期は一律ではありません
「何か月で慣れるのか」に、全員共通の答えはありません。
同じ半年でも、配属先、経験した処置、夜勤開始の時期、指導体制は異なります。
入院対応を2回経験した人と20回経験した人では、迷う場面も違います。
定型的な業務ができるようになると、受け持ち人数が増え、入退院や夜勤など新しい役割が加わります。できることが増える一方で、初めての仕事も増えていきます。
同じ半年でも、経験した業務の種類や回数は人によって違います。月数だけでは比べられません。

「半年たったのに」ではなく、「何を経験し、どの場面で迷うのか」と見ると、次に必要なことが分かります!
成長しているのに「慣れた気がしない」6つの理由
1.毎日、患者さんと状況が違うから
患者さんが変われば、観察項目や処置も変わります。
昨日は予定どおり動けても、今日は急な検査や状態変化が重なる。
昨日できたことが今日できなくても、経験が消えたわけではありません。
2.できるようになるほど、任される仕事が増えるから
一つの業務ができると、受け持ち人数が増え、新しい処置も任されます。
仕事の難易度も上がるため、目の前にはいつも「まだできないこと」が残ります。
楽にならないのは、次の段階へ進んでいるからかもしれません。
3.手順よりも判断に時間がかかるから
手順は繰り返して覚えられても、「先に報告するか」「ケアを後にしてよいか」は状況で変わります。
優先順位に迷うのは、複数の経験を結びつける段階に入ったからでもあります。
4.業務と同時に、人間関係にも慣れなければならないから
先輩への相談、医師への報告、ご家族への対応にも慣れる必要があります。
「今話しかけて良いのかな」と考え続ければ、それだけでも心は疲れますよね…💦
5.同期の結果と、自分の迷いを比べてしまうから
同期の働く姿は見えても、帰宅後の不安までは見えません。
他人の表に見える結果と自分の内側の迷いを比べれば、自分だけが遅れているように感じます。
6.安心して学びにくい環境にいるから
厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」でも、新人の順応には根気強い支援と、職場適応やメンタル面を支える体制が求められています。仕事へ慣れることは、本人だけの課題ではありません。
質問すると嫌な顔をされる、先輩によって指導が変わる、失敗後に改善方法を教えてもらえない。
そのような環境では、確認する前から緊張します。

「私の覚えが遅いのかな」と考える前に、安心して質問し、経験できる環境になっているかも確かめてください。
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「慣れていない自分」と「慣れにくい職場」を見分ける
経験で変わる状態と、時間だけでは変わりにくい環境があります。
慣れる必要があることと、慣れてはいけないことは別です。
人前で怒鳴られることや、質問しにくい空気まで受け入れる必要はありません。
2023年の看護研究では、新人看護師の職場適応を、看護実践への効力感、仕事への肯定感、チームへの所属感、独り立ちした自覚などから捉えています。技術だけでなく、チームの中で働ける感覚も適応の一部です。
私も、仕事より職場に慣れられない時期がありました
新人時代の私は、仕事よりも、病棟にいること自体に慣れませんでした。
指導者が日によって変わり、先輩によって言われる内容も違う。質問する前には「今話しかけたら嫌な顔をされないか」を考えていました。
申し送りで詰まると、「私は要領が悪いのかな」と思うこともありました…。

その後転職し、手を止めて話を聞いてくれる上司に出会いました。分からないことを確認できるだけで、同じ私でも落ち着いて仕事を覚えられました。
足りない知識や経験はありました。しかし、それらを身につけられる環境だったかも確かめる必要があったのだと思います。

仕事に慣れるために、今日からできる4つのこと
慣れていない部分を一つに絞る
「病棟全体に慣れる」ではなく、「情報収集の順番」「報告の最初の一文」など一つに絞ります。
一日一つだけ、具体的な目標を決める
「点滴の時間を勤務開始時に確認する」など、勤務後にできたか判断できる目標にします。
「前より迷わなかったこと」を一つ記録する
物品を探す時間が短くなった、報告前に必要な情報を思い出せたなど、以前との差を残します。
一人では変えられないことを、事実で相談する
「仕事に慣れません」だけでなく、「先輩によって点滴準備の手順が違い、どれを基準にすればよいか迷っています」と伝えます。
困っている場面が具体的になるほど、相手も対応を考えやすくなります。

今日の目標は、「仕事に慣れる」ではなく、「一つだけ迷う時間を減らす」で十分です!
待ってよい状態・相談したい状態・休むことを考える状態
| 今の状態 | 対応の目安 |
| 苦手な勤務の後は落ち込むが、休日には回復する | 小さな目標を一つ決め、変化を見ていく |
| 毎日強く緊張し、質問や報告を避けるようになった | 教育担当者や上司へ、困っている場面を相談する |
| 不眠、食欲低下、動悸、嘔気などが続いている | 仕事へ慣れることより、休養や専門家への相談を優先する |
厚生労働省の「こころの耳」では、不眠、食欲の変化、動悸、不安感などがストレスサインとして紹介されています。ストレスが続くときは、「もう少し働けば慣れる」と一人で抱え込まないでください。
職場で相談しにくい場合は、日本看護協会のメンタルヘルス相談や、ナースセンターの働き方相談も利用できます。

よくある質問
新人看護師は何か月で仕事に慣れますか?
一律に「何か月で慣れる」とは決められません。配属先、経験した業務、教育体制によって異なります。

月数ではなく、定型業務や報告、優先順位など、以前より迷う時間が短くなった部分を確認すると良いでしょう。
半年以上たっても仕事に慣れないのは遅いですか?
半年たっても、入退院、夜勤、急変対応など初めての業務は残ります。
経験した内容や回数は人によって違うため、遅いとは決められません。

何に慣れていないのかを絞ると、必要な経験や相談が見えてきます。
同期より仕事が遅い場合、看護師に向いていないのでしょうか?
仕事の速さだけで適性は判断できません。担当患者さんや指導者、経験した処置が違えば、進み方も変わります。
同期の結果だけでなく、安全のために確認できたか、患者さんの変化に気づけたかなど、看護に必要な行動も含めて振り返ってください。
慣れないことを理由に転職してもよいですか?
経験不足なのか、質問や学習が難しい環境なのかを分けます。相談や異動で改善する場合もあります。
心身の不調が続き、支援を求めても変わらないなら、転職を含めて自分を守る方法を考えてよい状態です。

今日決めるのは、「続けるか辞めるか」ではありません。まず、どの場面でつまずいているのかを一つ見つけるだけでも十分です。
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まとめ|慣れない部分が分かることも、成長の一つです
仕事に慣れないときは、病棟の流れ、看護技術、優先順位、人間関係のうち、どこで迷うのかを分けます。
同じ月数でも、経験した業務は人によって違います。
また、できることが増えるほど任される仕事も増えるため、成長していても「慣れた」と感じにくい時期があります。
一方で、質問すると不機嫌になられる、指導内容が毎回変わる、失敗後に改善方法を教えてもらえない環境では、時間がたつだけで解決しないこともあります。慣れる必要があることと、受け入れなくてよい環境は分けて考えましょう。
まずは、今日迷う場面を一つ選び、前より迷わずにできたことを記録してみましょう。

心身の変化が続く場合は、仕事へ慣れることより休養と相談を優先してください。必要な助けを考えられることも、前へ進んでいる証拠です!
この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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