はじめに
目覚ましが鳴った瞬間、胸が重くなる。
「今日も怒られたらどうしよう」「受け持ちをきちんと回せるかな」と考えてしまい、なかなか体が動かない。
支度を終えても、病院が近づくほど動悸が強くなり、エレベーターやロッカーで吐き気をこらえる――。
新人看護師の頃の私にも、そんな朝がありました。
私も新人の頃、アラームが鳴った瞬間から「今日も病院に行くのか……」と気持ちが沈んでいました。

「仕事に行きたくない」と思う自分を、甘えている、看護師に向いていないと責めなくて大丈夫です。
ただし、毎朝つらさが続いているなら、「新人だから仕方ない」と我慢し続ける必要もありません。

この記事では、朝に仕事へ行きたくなくなる理由を整理し、出勤できそうな場合と、出勤が難しいほどつらい場合に分けて、今できることをお伝えします!
朝、仕事に行きたくないと感じること自体は珍しくありません
新人の時期は覚えることが多く、一つひとつの判断が患者さんの安全に関わります。
業務に慣れていない、先輩の反応が怖い、昨日の失敗を思い出すといった不安が、出勤前に一気に押し寄せることがあります。
看護roo!の相談記事でも、「出勤前になると泣きそうになる」という新人看護師の悩みが取り上げられています。回答した精神科医は、まず「自分を責めるのはお休みしよう」と伝え、安全面に不安を感じる業務状況について、職場へ相談する方法を提案しています。
朝のつらさは、あなたの根性が足りない証拠ではありません。
一方で、「新人にはよくあること」と「放置してよいこと」は同じではありません。

朝だけでなく、勤務中や休日もずっと苦しい方は、朝の気分だけではなく、現在抱えているつらさの全体像から整理してみてください。
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朝になると、つらさが強くなるのはなぜでしょうか?
前日の緊張が十分に抜けていない
帰宅してからも失敗や先輩の言葉を思い返し、休日まで次の勤務を心配していると、心と体が十分に休まりません。
朝は「また緊張する場所へ戻る時間」になり、目覚めた直後から気持ちが沈みやすくなります。
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怒られる場面や失敗を先回りして想像している
まだ起きていないことでも、「また注意されるかもしれない」「今日もできなかったらどうしよう」と考えると、体は危険に備えるように緊張します。

怖さの中心が仕事そのものにある方は、「何が怖いのか」を分けて考えることが必要です!
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眠れないまま朝を迎えている
仕事の前日に眠れないと、気持ちを切り替えたり、物事を落ち着いて判断したりすることが難しくなります。
朝のつらさが前夜から始まっている場合は、「起きてから頑張る」だけでなく、睡眠や夜の過ごし方への対応も必要です。
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特定の先輩や業務と結びついている
「この先輩と同じ勤務の日だけ」「重症患者さんを受け持つ日に特につらい」という場合は、性格の問題と決めつけず、つらさが強くなる条件を記録してみましょう。
原因を断定するためではありません。上司や教育担当者へ相談するときに、状況を具体的に説明しやすくするためです。

朝がつらいと感じる自分を責める必要はありません!
「今日は何が怖いのか」を一つだけ分けて考えてみましょう。

前夜の不安、朝の目覚まし、通勤、勤務表を見た緊張…どれが一番つらいと感じますか?
「今日は行きたくない」と「繰り返し苦しくなる状態」を分けて考える
朝の気持ちだけで、「頑張って出勤するべき」「今すぐ辞めるべき」と二択にする必要はありません。
まずは現在の状態を、次のように分けてみてください。これは病気を診断するための表ではなく、今後の対応を考えるための目安です。
| 現在の状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 睡眠不足や苦手な勤務などで、今日だけ気が重い | 今日の目標を一つに絞り、勤務後はしっかり休む |
| 朝のつらさが何日も繰り返し、休日も回復しにくい | 状況を記録し、早めに身近な人や職場へ相談する |
| 動悸、吐き気、涙、強い不安などで支度や移動が難しい | 無理に出勤だけを目指さず、職場へ連絡し、必要に応じて専門家へ相談する |
厚生労働省「こころの耳」は、普段の自分の状態を知り、「いつもの自分」との違いに気づくことが大切だと説明しています。
心身の変化が長く続く場合や、自分だけでは解決することが難しいと感じる場合は、専門家への相談も検討しましょう。
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今朝の状態を4つの質問で整理してみましょう
出勤するかどうかを考える前に、次の4つを確認してみてください。
答えは、紙やスマートフォンに短く書くだけでも構いません。
- 朝のつらさは、いつ頃から続いていますか?
- 休日や連休には、少しでも気持ちや体が回復しますか?
- 特定の先輩、勤務、業務の日に強くなりますか?
- 睡眠、食欲、集中力などに、普段との違いがありますか?
すべてに答えられなくても大丈夫です。
「この先輩と同じ勤務の日が特につらい」「三日前から食欲がない」など、一つでも言葉にできれば、相談するときの大切な材料になります。
《吹き出し④》

「弱いかどうか」を判定するのではなく、「いつ・どこで・何がつらいか」を整理するための質問です!

出勤する場合は、今日一日だけの目標を決める
今朝は出勤できそうだと判断した場合も、「今日は完璧に働く」と考える必要はありません。
達成できそうな目標を、一つだけ決めてみてください。
大切なのは、失敗が一度もなかったかではありません。
患者さんの安全のために確認できたか、必要なときに相談できたかです。

朝6時や7時のつらい自分に、看護師としての適性まで判断させなくて大丈夫です。
今朝決めるのは、今日の一歩だけで構いません。
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出勤が難しいほどつらい場合にすること
動悸や吐き気が強い、涙が止まらない、玄関まで行けないなど、支度や移動が難しいときは、「とにかく病院へ着くこと」だけを目標にしないでください。
まずは勤務先の決まりに従って連絡し、現在の状態を伝えます。
詳しい事情をすべて説明できなくても、現在の症状と、出勤が難しいことは伝えて構いません。
「今朝から吐き気と強い不安があり、現時点では出勤が難しい状態です。本日の勤務について相談させてください。」
「休みたいです」だけでなく、今どのような状態なのかを伝えると、相手も理解しやすいです。
症状が続いている場合は、医療機関、職場の相談窓口、産業医などへの相談も検討してください。
厚生労働省「こころの耳」には、働く人が利用できる、匿名・無料の電話・SNS・メール相談があります。
《相談先》
働く人の「こころの耳相談」|厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/soudan/
出勤するか、休むか、退職するかを、今朝一人ですべて決める必要はありません。
まず今日の安全を確保し、これから先の判断は、体調が落ち着いてから考えましょう。

私も、誰にも言えずカウンセリングへ通っていた時期があります
新人の頃の私は、病院へ近づくほど動悸が強くなり、エレベーターの中で冷や汗が出ることがありました。
ロッカーでは「今日だけ乗り切ろう」と自分に言い聞かせ、勤務表で同じチームになる先輩の名前を見て、不安になる日もありました。
それでも、「同期も頑張っている」「新人なら苦しくて当然だ」と考え、周囲にはつらいと言えませんでした。
その後、私はカウンセリングへ通っていた時期があります。
最終的に職場を異動すると、朝の不安は以前より軽くなりました。

この経験から、朝のつらさは本人の努力だけでなく、教育体制、人間関係、業務量など、置かれた環境によっても変わり得ると感じています…。
厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン」にも、新人看護職員には「根気強く暖かい支援が必要」と記されています。
新人が職場へ適応するには、看護技術の指導だけでなく、精神面への支援も必要です。
何でも一人で耐えることが、新人看護師としての正解ではありません。
今日出勤することと、この職場で働き続けることは別です
今日出勤できたからといって、この先も我慢し続けなければならないわけではありません。
反対に、今日休んだからといって、看護師に向いていないと決まるわけでもありません。
まずは体調を整え、相談できる人と状況を整理しましょう。
そのうえで、業務量の調整、指導者や部署の変更、休職、異動、転職などを検討できます。
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よくある質問
新人看護師が朝、仕事に行きたくないと思うのは普通ですか?
慣れない業務や失敗への不安から、朝に気持ちが重くなることはあります。
ただし、珍しくないから我慢すべきという意味ではありません。

何日も続く、休日も回復しない、動悸や吐き気などがある場合は、早めに!職場や専門家へ相談してください。
朝に涙が出るときは、仕事を休んだほうがよいですか?
涙が出ることだけで、一律に判断することはできません。
支度や移動ができるか、睡眠や食事が取れているか、同じ状態がどのくらい続いているかも確認しましょう。
出勤が難しいほどつらい場合は、無理をせず職場へ状態を伝えてください。
職場にはどのように伝えればよいですか?
「今朝から吐き気と強い不安があり、現時点では出勤が難しいです」のように、症状と勤務への影響を簡潔に伝えます。
電話をする前にメモを作ると話しやすくなります。

連絡方法や連絡する時間は、勤務先の決まりに従ってくださいね!
特定の先輩と勤務する朝だけつらい場合はどうしますか?
日付、勤務、相手、起きたこと、自分の症状を、事実として記録しましょう。
相手を一方的に決めつけるためではなく、上司や教育担当者へ具体的に説明する材料になります。
患者さんの安全に不安がある場合は、その点も含めて早めに相談してください。
異動すれば、朝のつらさはなくなりますか?
異動によって人間関係や業務内容が変わり、つらさが軽くなる場合はありますが、必ず改善するとは限りません。
体調やつらさの原因を整理し、上司や専門家と相談しながら検討しましょう。

私自身は、職場の異動後に朝の不安が以前より軽くなりました。
まとめ|今朝のつらさを、これから先の答えにしなくて大丈夫です
新人看護師が朝、仕事に行きたくないと感じる背景には、慣れない業務への緊張、失敗や叱責への不安、睡眠不足、特定の先輩や勤務との組み合わせなどがあります。

まずは「いつから続いているか」「休日に回復するか」「特定の条件で強くなるか」「睡眠・食欲・集中力に変化があるか」を整理してみてください!
出勤できそうなら、今日の目標を一つに絞ります。出勤が難しいほどつらい場合は、無理に病院へ向かわず、現在の症状と状態を職場へ伝えましょう。必要に応じて医療機関や相談窓口も利用してください。
今日出勤できるかどうかと、看護師に向いているかどうかは別の問題です。
今朝の自分を責めず、まずは今日の安全を守る選択から始めてください。
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参考資料
- 厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049578.html - 厚生労働省「新入社員のセルフケア|こころの耳」
https://kokoro.mhlw.go.jp/newemployee/ - 厚生労働省「働く人のこころの耳相談」
https://kokoro.mhlw.go.jp/soudan/ - 看護roo!「入職したばっかりだけど、もう辞めたい」
https://www.kango-roo.com/work/11682/


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